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月末の締めで、いつも最後まで揃わないのが高速代です。
うちの会社には、高速代の払われ方が三つあります。社員が自分で払って後から精算するもの、法人カードで払うもの、社有車に積んであるETCカードで払うもの。このうち法人カードの利用データが社内システムに乗ってくるのが遅く、毎月そこだけを待つことになります。金額が大きいわけではありません。ただ、締めの最後に残るのはいつもこれです。
それで法人向けのETCカードを調べ直したのですが、「法人ETCカード」と呼ばれているものが一つではありませんでした。三種類あって、性格がまるで違います。ここを整理しないまま選ぶと、手数料を払いながら割引を取りこぼす状態になります。
「法人ETCカード」と呼ばれているものは、三種類ある
| 種類 | 発行のしくみ | 審査 |
|---|---|---|
| クレジット会社系の法人ETCカード | 法人カードに紐づけて発行する。手数料はいちばん安い | あり |
| 協同組合の法人ETCカード | 協同組合に加入して共同利用する。クレジット機能を持たない | なし |
| ETCコーポレートカード | 高速道路会社が発行し、協同組合が窓口になる | あり |
一つ目は法人カードに追加するかたちで出すもので、すでに法人カードが通っている会社ならこれがいちばん安く済みます。ただし法人の与信を見られるので、設立して間もない会社や決算が赤字の会社は通らないことがあります。二つ目の協同組合のカードは、クレジット機能を持たないぶん信用情報を見る審査がありません。出資金を預けることが担保になるためで、設立直後でも作れるのが強みです。
三つ目のETCコーポレートカードは性格が違います。高速道路会社が発行するもので、後で書く割引の対象になるのはこのカードだけです。窓口が協同組合なので二つ目と混ざりやすいのですが、別物として考えたほうがいいです。
割引の数字を知らないまま選ぶと、いちばん損をする
高速道路には大口・多頻度割引という制度があります。ETCコーポレートカードで走った分に、車両ごとの利用額に応じて割引がかかるしくみです。高速国道の車両単位割引は、こうなっています。
| 一台あたり一か月の利用額 | 割引率 | ETC2.0の事業用車両 |
|---|---|---|
| 五千円超〜一万円まで | 10% | 20% |
| 一万円超〜三万円まで | 20% | 30% |
| 三万円超 | 30% | 40% |
ここで見てほしいのは、割引が会社単位ではなく車両単位でかかることです。会社全体で月十万円使っていても、五台に二万円ずつ散っていればかかるのは20%の区分です。逆に一台で三万円を超えている車があれば、その車だけで30%に入ります。ETC2.0を積んだ事業用車両なら40%です。
ETC2.0への上乗せは期限つきの措置で、これまで何度か延長されています。契約を決める前に、高速道路会社の案内で最新の期限をご確認ください。
協同組合のカードには、走った金額に対してかかる手数料があります。私が調べた組合では走行料金の8%でした。ここを並べて考えると、話がはっきりします。月に三万円を超えて走る車が一台でもあるなら、8%を払う前に、30%が取れないかを先に見るべきだということです。順番を逆にすると、手数料を払いながら割引を捨てることになります。
ETC2.0が付いていても、それだけでは割引は効かない
うちの社有車にはETC2.0が付いています。それを思い出したとき「では上乗せの対象だな」と一瞬思いました。違います。ETC2.0が付いていることと、割引が効いていることは別の話です。上乗せがかかるのはコーポレートカードで走った分だけなので、車載器がどれだけ新しくても、走っているカードが違えば一円も安くなりません。
では、うちが実際にどれで走っているのか。ここは私もこれから確認するところです。三つの経路が並んでいるのを毎月見ていながら、それぞれがどのカードなのかを割引という観点で見たことがありませんでした。
締めが遅れている原因は、カードの種類ではなかった
最初に書いた「毎月の締めが高速代で止まる」という話に戻ります。法人カードの利用データがシステムに乗るまでの時間は、総務の側からは縮められません。カード会社と社内システムのあいだの話なので、こちらが急いでも変わらない。ここを何とかしようとしていたのが見当違いでした。
縮められるのは、待ち時間ではなく経路の数のほうです。立替精算と法人カードとETCカードの三つが並んでいるから、三つ揃うまで締められない。高速代をETCカードの側に寄せられるだけ寄せれば、待つ対象が一つ減ります。カードを選び直す話と、締めの早さの話が同じ場所でつながっているとは思っていませんでした。
では、何から手をつけるか
- 直近一か月の高速代を、車両ごとに並べる。割引は車両単位でかかるので、合計では判断できません
- 三万円を超えている車両があるかを見る。一台でもあれば、コーポレートカードを検討する材料になります
- その車両のETC2.0の有無を確認する。車検証と、車載器のセットアップ証明書で分かります
- いまどのカードで走っているかを確認する。ここが抜けると、割引の話が全部机上になります
- 審査が通るならクレジット系かコーポレート、通らないなら協同組合。「審査が不安だから組合」と最初に決めてしまわないことです
審査が通らない、あるいは今すぐ必要だという場合に、協同組合方式が現実的な選択肢になります。私が費用の目安として見たのは出資金一万円(退会時に返金)、発行手数料と取扱手数料が一枚あたり各550円、走行料金の8%という条件でした(2026年8月時点)。同じ組合がETCコーポレートカードの窓口も兼ねています。金額も条件も変わりますので、申し込む前に必ず最新の表示をご確認ください。
今日からできるのは一つ目だけです。直近一か月の高速代を、車両ごとに並べてみてください。合計で見ているうちは何も決まりませんが、車両ごとに並べた瞬間に、次に何を選ぶかはだいたい自動的に決まります。私もそこから始めます。
なお、カードの費用をどう経費で処理するか、出資金をどの科目で持つかといった判断は顧問の税理士にご確認ください。この記事で書いたのは制度のしくみと、選ぶ順番までです。
この記事のアイキャッチ画像は生成AIで作成しています。実在の人物・商品・ロゴを描いたものではありません。ナレーションは音声合成です。


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