八月も後半に入ると、家の空気が少し変わります。宿題の話をしなくなる。朝ゆっくり起きてくる。学校の話題を振ると返事が短くなる。
親のほうも、なんとなく気づいています。気づいているけれど、どう切り出せばいいのか分からない。この記事は、そこで手が止まっている人に向けて書いています。
先に伝えておきたいことがあります。不登校の相談が一年でいちばん増えるのは、夏休み明けです。珍しいことではありません。あなたの家だけで起きている話でもありません。
「行きたくない」は、わがままの言葉ではないことがある
長い休みのあいだ、家はいちばん安心できる場所になります。そこから外に出て、また我慢する生活に戻る。子どもにとっては、それだけで相当な負荷です。
だから「行きたくない」という言葉は、怠けの表明ではなく、負荷がかかっていることの報告として受け取るほうが、たぶん近い。ここを取り違えると、次の一手が全部ずれます。
私は自衛隊にいたころ、レーダーの画面を見て、まだ形になっていない兆候を拾う仕事をしていました。あのとき教わったのは、はっきりしない反応ほど早めに見ておけ、ということでした。はっきりしてからでは対応の幅が狭くなるからです。子どもの様子も、たぶん似ています。
やらないほうがいいこと
専門家の解説を読んでいると、共通して挙がるものがあります。
無理に登校させる
強い登校の強要はストレスを大きくし、心身の不調につながることがあると指摘されています。「今日だけ行ってみたら」も、追い詰められている子どもには同じ意味に聞こえることがあります。
理由をはっきりさせようとしすぎる
「なんで行きたくないの」と問い詰めても、本人にも言葉になっていないことが多い。理由が言えないことを責められると、次から言い出せなくなります。
他の子と比べる
「みんな行ってる」は、状況を変えないまま孤立感だけを足します。
私も、つい正論のほうを先に言ってしまうタイプです。ここは意識して止めないと出ます。
先に用意しておくといいもの
夏休みが終わってから考え始めると、選択肢を調べる時間がありません。八月のうちに、頭の中だけでも並べておくと違います。
1. 休ませるという選択肢を、親の中で先に認めておく
実際に休ませるかどうかは別として、「休んでもいい」と親が思えているかどうかは、子どもに伝わります。ここが決まっていないと、言葉ではやさしくしても態度が固くなります。
2. 学校の相談先を確認しておく
担任だけが窓口ではありません。スクールカウンセラーが何曜日に来るのか、養護教諭に直接相談できるのか。学校だよりや学校のサイトに書いてあることが多いので、いまのうちに見ておきます。
3. 学校の外の窓口も知っておく
学校に言いにくい内容のときのために、外部の窓口を控えておきます。下にまとめました。
相談できるところ
24時間子供SOSダイヤル(文部科学省)
0120-0-78310
24時間受付。いじめに限らず、子どものSOS全般が対象です。子ども本人だけでなく保護者もかけられます。全国共通で、電話をかけた地域の教育委員会などにつながります。
子どもの人権110番(法務省)
0120-007-110
平日8時30分から17時15分まで。いじめや虐待など、子どもの人権に関わる相談の窓口です。
番号を冷蔵庫に貼っておく、というのが地味に効きます。必要になったときに探すのは、思っているより難しい。
それでも朝が来たら
当日の朝に「行きたくない」と言われたとき、その場で正解を出す必要はないと思っています。
とりあえず今日は休む、と決めてしまって構わない。一日休んだくらいで取り返しがつかなくなることは、まずありません。親が慌てないことのほうが、その日いちばん効きます。
そのうえで、休んだ日の夜か翌日に、学校かカウンセラーに一報を入れておく。親が一人で抱えないための連絡です。
今日できる一手
上のふたつの番号を、スマホに登録しておいてください。使わずに済めばそれでいい。九月に入ってから探すことにならないように、いま入れておくだけです。
この記事は一般的な情報の紹介であり、医学的な診断や治療の助言ではありません。お子さんの様子が普段と明らかに違う場合や、心身の不調が続く場合は、学校のスクールカウンセラー、かかりつけ医、児童精神科などの専門機関にご相談ください。
この記事のアイキャッチ画像は生成AIで作成しています。


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