この記事は「仮想未来記事」です。現時点の情報をもとに、これから起こりうる未来を書いています。冒頭に私が考える発生確率を明記します。確率そのものは私の主観であり、当たることを保証するものではありません。
| 想定される未来 | 対象年 | 発生確率 |
|---|---|---|
| 夏の屋外作業が「早朝と夜」に割れ、日中を避ける工程が当たり前になる | 2031〜2036年 | 70% |
| 中古の家を借りる・買うときに、断熱と冷房費が値段の一部として扱われる | 2031〜2036年 | 55% |
| 夏の手土産が「常温で何時間持つか」で選ばれるようになる | 2031〜2036年 | 45% |
今年の七月、西日本の平均気温が統計を取り始めてからいちばん高くなりました。四十度を超えた地点の数も、この十数年で最も多い夏です。東海では四十度超えが五日続いたそうで、これは記録の上で一度も起きていない並びでした。
私は建設業で人事と労務をやっています。夏になると、朝礼を何時に始めるか、経口補水液の在庫が足りるか、誰が無理をしそうか、そんな話ばかりしています。去年から職場の熱中症対策は法律上の義務になりました。守らなければ罰則もあります。それでも現場は、暑いというだけでは止まりません。
暑さは天気の話として語られがちです。ただ、実際に作り替えられていくのは天気ではなく、働く時間と、建物と、物の運び方のほうだと私は見ています。今日はその三つを書きます。
夏の屋外作業は、早朝と夜に割れていく(70%)
いま国が決めた基準は、暑さ指数二十八以上、または気温三十一度以上の場所で、一時間続けて、あるいは一日に四時間を超えて作業をさせる場合に対策を義務づける、という形になっています。ここで大事なのは、数字で線が引かれたことです。
数字で線が引かれると、次に起きるのは「線を超える時間帯には、そもそも人を置かない」という判断です。対策を積み上げるより、時間をずらすほうが安く確実だからです。日中の三時間を空け、朝五時からと、日が落ちてからに振り分ける。工程表の書き方そのものが変わります。
人事の側から見ると、これは楽な話ではありません。夜間の作業には割増賃金がつきます。住宅地に近い現場は近隣への説明がいります。日給月給で働いている職人さんにとっては、日中に作業がない日は手取りが減る日でもあります。夜勤化はコストが上がる方向にしか働きません。
それでも進むと思っているのは、倒れた一人の穴が埋まらないからです。人が足りない業界では、労災が一件出たときに失うものが、割増賃金よりはるかに大きい。制度が先にできて、現場が後から寄っていく順番のときは、だいたい進みます。だから七割に置きました。
家の断熱が、家賃と売値の一部になる(55%)
去年の春から、新しく建てる住宅はすべて省エネの基準を満たすことが義務になりました。つまり、これから建つ家と、それより前に建った家とで、夏に冷房へ払う金額がはっきり分かれていきます。
新築が全部そうなると、十年経つ頃には「基準を満たしていない中古」という区分が、誰が決めたわけでもなく市場のほうにできます。そうなったとき、内見で見られるのは間取りと駅からの距離だけではなくなる。窓の性能と、去年の八月の電気代の明細が、値段の交渉材料になります。
採用の場面でも、寮や社宅の話は必ず出ます。いま私が説明しているのは家賃と通勤時間ですが、そこに冷房費が並ぶ日は来ると思っています。夏に部屋が冷えない寮は、来年の応募が減る。人事にとってはそういう問題として現れてきます。
五割強にとどめたのは、義務がかかっているのが新築だけだからです。中古の値付けが実際にそちらへ動くかどうかは、制度ではなく市場の気分に左右されます。動く筋は見えていますが、言い切れるほどではありません。
夏の手土産は「常温で何時間持つか」で選ばれる(45%)
私は和菓子屋で十三年、店長をしていました。夏のお菓子は難しいです。生菓子は水分が多く、暑いと表面が汗をかいて形が崩れます。だから夏場のレジでは、保冷剤を何個入れるかを毎回相談していました。お客様から必ず聞かれるのは「これ、何時間持ちますか」という一言です。
気温がもう一段上がると、この一言が贈答の主役を入れ替えると見ています。持ち歩きに強いもの、常温で崩れないもの、冷凍で送れるもの。焼き菓子や缶入りの水罩羹が、季節の主役の側へ移っていく。店の表示も「保冷剤三個」ではなく「常温で何時間」に変わっていくはずです。
ただ、四割五分と低めに置きました。贈答は合理だけでは動かないからです。見た目と季節感と、渡したときの格好がつくかどうかが優先される世界で、暑さを理由に主役が入れ替わるとまでは言い切れません。売場に十三年いたぶん、ここは慎重に見ています。
では、いま何をしておくか
会社の側でできることは、工程表に気温を入れることだと思っています。いまの工程表に入っているのは雨だけです。雨で止まる日は最初から見込んでいるのに、暑さで止まる日は見込んでいない。ここを一行足すだけで、夏の段取りは変わります。
家の側は、建てる予定があるなら断ㆱの等級を先に決める。予定がないなら、窓の外側で日射を止めることと、風の抜け道を作ることの二つに絞る。どちらも今年の夏の電気代を見ながら判断できる話です。
そして手土産は、次に買うときに店の人へ「常温で何時間ですか」と聞いてみてください。売場の人間は必ず答えを持っています。これは今日からできることです。
五年後か十年後にこの記事を開いて、三つのうちいくつ当たったかを書き足すつもりです。外れていたらそれも書きます。予測は、答え合わせをして初めて記録になると思っています。
この記事のアイキャッチ画像は生成AIで作成しています。実在の人物・商品・ロゴを描いたものではありません。ナレーションは音声合成です。


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