週休3日は、たぶん建設業から先に来る【2031〜2036年を確率つきで考える】

ローポリゴンの線画。建設中の高層建築の骨組みの手前に、琥珀色の立方体が横一列に並び、右へいくほど霧に霞んでいく。青灰色と琥珀色の2色 仮想未来記事
3つの予測と確率を38秒にまとめた概要動画です(生成AIで作成)。

この記事は「仮想未来記事」です。現時点の情報をもとに、これから起こりうる未来を書いています。冒頭に私が考える発生確率を明記します。確率そのものは私の主観であり、当たることを保証するものではありません。

週休3日という言葉を聞いたとき、たぶん多くの人はIT企業か外資系を思い浮かべると思います。私は逆だと見ています。日本でいちばん早く週休3日が現実になるのは、たぶん建設業です。

私が想定している未来対象年確率
大手の建設現場で「4週8閉所」が当たり前になり、先頭集団が4週10閉所(実質・週休2.5日)へ進む 2031〜2036年 75%
選択的週休3日を制度として持つ会社の比率が、建設業で全産業平均を上回る 2031〜2036年 55%
「週休3日でも給料は同じ」にはならず、月給の社員と日給月給の技能者で待遇が割れる 2031〜2036年 80%

建設業だけが持っている「外からの力」

他の業界で休みを増やそうとすると、社内の理屈だけで戦うことになります。売上が落ちる、顧客が待ってくれない、競合が動かない。誰かが決断しない限り一歩も進みません。

建設業はここが違います。公共工事には発注者がいて、その発注者が国や自治体です。発注の条件そのものに休日を組み込めば、現場は動かざるを得ない。実際、直轄工事では発注者が指定する形で週休2日が進められてきました。会社の善意ではなく、契約の条件として休みが降りてくる構造を持っているのは、建設業くらいのものです。

そこに2024年4月からの時間外労働の上限規制が乗りました。他業界より5年遅れて適用されたぶん、猶予が終わった今は逃げ場がありません。残業で埋めるという選択肢が消えれば、残るのは工期を延ばすか、人を増やすか、休みを制度で確保するかです。

予測1: 4週8閉所は、もう坂を登り切りかけている(75%)

日建連が集計している現場の閉所状況を見ると、4週8閉所以上を達成した作業所は全体の3分の2ほどまで来ています。土木に限れば4分の3を超えている。しかも前年の同じ時期と比べて5ポイント以上伸びていて、この5年でおよそ倍になった計算です。

この傾斜がそのまま続くなら、2031年前後には9割に届きます。私が75%という数字を置いたのは、傾きが素直に効く領域だと見ているからです。残っているのは建築分野と、工期がぎりぎりの案件。そこが最後まで抵抗するぶん、100%にはならない。

その先の4週10閉所は、先頭集団だけの話になると思っています。全体に広がるとは見ていません。

予測2: 制度としての週休3日は、たぶん自治体から流れ込む(55%)

週休3日に相当する制度を持つ会社は、全産業でまだ1割に届きません。建設業はその平均より下だと思います。ここだけ見れば、建設業が先頭に立つという話は成り立たない。

私が55%という微妙な数字を置いたのは、流れが会社側からではなく発注者側から来ると見ているからです。都道府県や市町村が職員の週休3日を先に始めています。役所が自分の職員に週休3日を認めた状態で、その役所が出す工事の現場だけが休めない、という絵は長くは持ちません。公共工事の発注条件は、役所の内部制度と地続きになりやすい。ここが他業界にない伝わり方だと思っています。

55%と半々に近い数字にしたのは、逆向きの力も同じくらい強いからです。人が足りないのに休みを増やせば工期が延びる。工期が延びれば発注者が困る。この矛盾を誰がどう吸収するかが決まっていません。

予測3: いちばん確度が高いのは、いい話ではない(80%)

3つのうち私がいちばん自信を持っているのが、これです。

建設業の技能者には日給月給で働いている人が多くいます。日給月給というのは、月給という名前がついていても、休んだ日は差し引かれる仕組みのことです。この人たちにとって、休みが1日増えるというのは収入が1日分減るということと同じ意味になります。

週休3日が制度として入っても、月給の社員は給料が変わらず、日給月給の技能者は手取りが減る。同じ現場で同じ休みを取って、片方だけが損をする。この分岐が起きる確率を、私は80%と見ています。制度を入れるほうが、賃金の仕組みを直すよりずっと簡単だからです。

これを避ける道は月給化を同時に進めることですが、これは会社の腹が直接痛む話で、休日を増やすより何倍も重い。だから遅れる。遅れているあいだに現場から「休みなんかいらないから稼がせてくれ」という声が出て、週休3日は現場に嫌われる制度になる。私が心配しているのはここです。

総務の机から見えていること

私は建設業の総務で人事労務をやっていて、就業規則や労使協定を作る側にいます。その立場から言うと、休日を増やす制度変更そのものは、書類の上ではそれほど難しくありません。難しいのは、増えた休みのぶん誰の手取りがどう動くかを事前に説明することです。

採用の面接でも、休みの話は必ず出ます。ただし若い人が聞きたいのは休日数だけではなくて、その休日数で年収がいくらになるのかです。数字を並べたときに休日と年収の両方が説明できる会社だけが、これから人を採れると思っています。

ついでに書いておくと、2027年には外国人材の受け入れ制度も変わります。人が足りない前提が続く以上、休みを増やす圧力と、人を集める圧力は、これから同じ方向を向きます。休めない会社は人が採れない、という単純な話になっていくはずです。

今日できる一手

建設業で働いている人なら、自分の給与が月給なのか日給月給なのかを、給与明細で確かめておいてください。ここが分かっていないと、この先どんな休日制度が来ても、自分にとって得なのか損なのかが判断できません。

答え合わせは2031年からです。私はこの記事を消さずに置いておきます。

この記事は未来の予測であり、制度の解説ではありません。実際の労働条件や賃金の扱いについては、勤務先の就業規則と、必要に応じて社会保険労務士にご確認ください。
この記事のアイキャッチ画像は生成AIで作成しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました